親友の虎丸が乳を揉まれている、富樫は仰天してしまった。
ソファに腰掛けた伊達は当然だと言わんばかりに態度でっかく、膝に乗せた虎丸の乳を揉んでいる。
たぷん、たぷん、と柔らかそうに伊達の指の力具合に応じて、虎丸の胸が形を変えていく。
相変わらずダサイ下着だったが、それを補って余りある魅力的に大きな胸だった。富樫が自分のぺったりと平坦な胸をこっそり比べて気落ちする胸。
「んん、ん、…ふぁ」
その胸が大きく揺すりたてられるように震えた、伊達の指がたっぷりとした柔みに食い込んで重たげである。
虎丸も虎丸で、嫌がるそぶり一つ見せずに目を伏せて吐息を漏らしている。子供か、それとも犬かが鼻を鳴らしているような甘えた声。
鼻にかかった甘ったるい声、富樫が初めて聞く声だった。
「て、テメェら俺を無視しておっぱじめてんじゃねぇ!!」
「なんだテメェも混ざりてぇのか、面倒だな。桃を呼べよ桃を」
見るからに面倒そうに伊達がそう言った、親友の虎丸は既にとろとろ、伊達の名前を小さく呼んでたりもする。
富樫は確かに寂しさを覚えた、三人しか居ない部屋で二人がにゃんにゃん、自分は置いてけぼりだ。
しかし人を欲求不満のように言われてしまうと我慢がならない、富樫は額に青筋を立てて怒鳴った。
「ダッ、だ、誰が混ざりてえかよ!!それっ、それにあんじゃい、も、桃なんか関係ねえじゃろうが!!」
いきなり怒鳴り出した富樫に、虎丸は半ば夢心地にいたところを叩き起こされて目をぱちくり。
「伊達ェ、富樫の奴、何怒っとるんじゃ?」
「さぁな、桃の野郎と欲求不満なんだろ」
関係無いとでも言うように伊達は更に虎丸の胸を揉みたてて、下着の中へ指を滑り込ませている。
「バ、バァロォ!!!」
富樫は逃げ出した。
先日、桃とキスをしたのだ。キスぐらいは心の準備が出来ていた富樫だが、
「ん、」
舌が滑り込んできてまず総毛だった。こんなにぬるぬるとして、ぞわぞわとするものだとは思ってもいなかった。舌に神経が集まっているということは知ってい
たがこれほどとは思っても見なかった。たちまち桃の舌が富樫の舌を捕まえた、表面同士をざらりと擦り合わされて、耳がきいんと鳴った。
「ン、ふ、ふゥ、」
知らず富樫の手が桃の学ランの背に回る、桃の腕はしっかりと富樫の腰を逃がさないように抱え込んでいて、時どき腰骨のあたりをくすぐるのだ。
背中がぞくぞくと震え続ける、富樫は顔を背けようとしたが桃の舌は追いかけてくる。
されるがまま、富樫としては一時間、実際には一分程度のキスが続いた。
「……ん?」
すっかり骨抜き、富樫は認めないかもしれないが、伊達にいいようにされていた虎丸とさして変わらない顔をしていた。
胸のあたりにもぞもぞと違和感がある、富樫が自分と桃との隙間との間へ視線を落とす。
桃の空いた手が、富樫のスカーフをするりとちょうど抜き取ったところだった。胸元のホックが軽がると見つけられて外される。
桃の目が、富樫を射抜いた。
「バ、バァッキャロォ!!まだ、まだ早ェわい!!」
その途端、富樫は桃の顔をグーでもって殴ってしまっていたのだった。
呆然としている桃を尻目に富樫は逃走。
その夜、富樫は兄ちゃんにも言えんわいと布団の中でアアアアと身悶えたのだった。