うすらピンクの

「何か欲しいものはあるか」
桃らしく真っ正面からの問いかけである。
「金」
富樫らしく俗っ気たっぷりの返答である。
「それは困る、俺も金は欲しいくらいだ。何か他に無いのか」
「そんじゃ女」
「…フッフフ俺がいるじゃねえか欲張り」
「…お・ん・な」
「それじゃあ何か、富樫。お前は俺が女じゃなきゃ愛せねぇって言うのか?そうじゃねえだろう、俺とお前はそんなチンケな間柄なんかじゃねえ、俺はそう信じ ているぜ」
「うおっ、も、桃おめえもうちっとゆっくりしゃべってくれや」
富樫は必死に書いていたノートから顔を上げた、片手間に聞き流そうとしていたらなにやら桃の魂のあたりに火をつけてしまったようなのだ。
「富樫、俺はお前を信じてるぜ。お前は姿かたちに囚われやしねぇって」
「お、お?おうそうじゃ、まあな、ウン」
「そうだろ、お前ならそう言うんじゃねえかって思ってたぜ、さすがだな富樫」
「え?あ、まあそう、何と言っても俺よ」
「そんなお前を俺は誇りに思うぜ、男の中の男だって。こんなお前を俺は大好きさ」
「えへっ?うえ、いや勿論俺ァ男の中の男じゃ、知ってんだろ、ったりめぇじゃねえか」
「そうとも知ってるさ、お前も俺が大好きだ。男が男に惚れる、これぞああおっとこ塾だな!」
「ああ、おお、そうだな!」
「改めて言うぜ、富樫誕生日おめでとう」
「……お、おう、ありがとな。こうやって面と向かって言われっとなんかアレだな」
「………富樫」
「…桃、」
「くすぐったいか?」
「馬鹿、おめえウフフフ、おい、もーも」
「フッフフ、悪い、…つい」
「何が、つい、じゃ。馬ァ鹿」





「誰かあのうすらピンクの空気何とかしろ!!」
秀麻呂は耐え切れずに怒鳴った。握り締めた鉛筆はバッキバキに折れている。
「キサマら授業聞かんかい!!」
鬼ヒゲも怒鳴った。握り締めたチョークはバッキバキに折れている。

四月九日、
富樫誕生日前夜である。
モクジ
Copyright (c) 2008 1010 All rights reserved.
 

-Powered by HTML DWARF-