考えるチ○コ

社会と一緒に女も学んだらしい馬鹿の唇がどうにもぷわぷ わ柔らかかったので、富樫はなんだか面白いもんだと思った。
ガッと襟首掴まれた。
顔が近づいてくる。
ニンニンとガキくさい笑顔がうわーっと迫ってきて、
ブチュッとやられたのだ。





虎丸がなんだか泣きそうな顔をしている。けだものが濡れるとこんなだ、富樫は虎丸をただ見ている。
「ワシ、超おっぱい好きじゃのにぃ」
女子高生のように語尾を甘ったるく伸ばしてそう言った。いい年して超だとか言ってんじゃねえやと、富樫は口を拭くのも忘れてただその顔をぼうっと見てい る。
寒い夜の公園である。山茶花の植え込みに切り取られた、都心にある子供よりもホームレスのための公園である。自分達が子供の頃遊んだ遊具は全て取り払われ てしまって全体的にのっぺりとしていた。虎丸は先ほどから砂場に立ち尽くしながら、靴が汚れるのも構わずに足元の砂を蹴っている。
「なんだっておまえなんか、好きなんじゃい」
ぐず、と鼻をすする音がした。暗闇でよかったな、と富樫は見当違いの優しさを向けて胸のタバコを探った。胸のポケットに求めるふくらみはない。富樫は舌打 ちをした。
「知るかァ」
虎丸のグズりに富樫はあきれ返って乱暴な回答をした。
「ワシゃ、どうしておまえが好きなんじゃい」
「知るかァ、…俺がどうにもイイ男だからじゃあねえのか」
富樫の物言いに、失礼にも虎丸は歯を見せて笑った。闇夜にもそれは白かった。
「ヘッヘ、」
「笑うんじゃねえや、…おい虎丸」
帰ろうぜと富樫は促した。虎丸の腕を掴むと逆に襟首を掴まれた。ガッと掴まれた。
顔が近づいてくる。
ニンニンとガキくさい笑顔がうわーっと迫ってきて、
ブチュッとやられたのだ。



馬鹿は馬鹿なりに社会以上に女を勤勉に学んだようで、舌が上手に動く。
ぷわぷわ柔らかい感触はどうにも気持ちが良くって富樫は落ち込む。
(馬鹿ヤロ、普段ドモるくせにうめえじゃねえか)
舌打ちしようとしたところへするすると分厚い舌がやってきて、すくい上げるようにして舌を絡めとられた。ウウと富樫の背中がのけぞる、追いかけてきた舌 と、後ろから髪の毛を掴む手に逃走を阻まれた。
逃走が叶わぬならと富樫も舌を積極的に動かして闘争を計る。
社会以上に学んだ女のおかげか、虎丸の勝利である。富樫はベロンベロンにされた。
息がまず苦しくなって頭に酸素が回らない、そのためにぼうっとなってしまう。そこへきて鋭敏な神経の集いである舌を嫌と言うほど擦られればたまらない。女 相手でないからと隠しもしない二人分の鼻息がムンムン顔の間で渦巻いた。

男はチンコで考えると言ったのは誰だったか。富樫はもうグタグタのなべ底白菜みたいになりながら考えた。
女はいくら上手くてもブサイクに抱かれるのは嫌だと言う。
男はいくらブサイクでも生尺されて目を閉じさえすればチンコは勃つ。
単純に出来ているのだ。富樫も虎丸もその男という成分が特別に濃い部類だからもうそれこそゴリゴリ腰の辺りで角突き合わせていた。



暗がりで唇を離す。
はあはあぜえぜえ、喘いでいるのは二人同じ。だが余裕があるのは虎丸だった。
「ヘッヘヘ、どうじゃい…」
どうじゃどうじゃと腰をこすりつけてくる虎丸を富樫は頭突きというには弱く、額でごつりと突き返す。
はあはあぜえぜえ、喘いでいるのは富樫だけになった。
「どうじゃも何も、あっかよ…」
さっきまで泣きそうな顔してた虎丸はもう笑っている。いつもの、全て食べつくした大きな笑みだ。
「ああしゃあねえや、おまえだっておっぱいあるしな」
「馬鹿ヤロウが、あんだってそっちに行くんじゃ」

愛しい馬鹿はぐいと腰を突き出して、分厚い唇ちょんと尖らせながら、
「だってチンコが勃ったんじゃい」
と理由なんだか照れ隠しなんだかまるでわけのわからん事を言った。

「好きだとかなんだとか言えねえのかよてめえは」
「好きじゃ」
真顔だ。富樫もぎくりとする。どきりでなくぎくり。


だからチンコ勃つゥ、と言いながら富樫のまたぐらへ手を伸ばした。掴む。確かに質量を増しているそれ。
「あっ、富樫もチンコ勃っとるのう、両思いじゃ」


アホ!と富樫の鉄拳が飛んだ。
だけどあんまり馬鹿が嬉しそうに言うから、その後ちょっとエロい事をささやいてやったのだ。
チンコチンコと大声で言うわりにそんな一言で真っ赤になる馬鹿は可愛い。
モクジ
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