意地っ張りと見栄っ張り
死のにおいというものを嗅いだのは、あれが初めてだった。
わたしはちょうど、小学四年生だったと思う。たしか記録的な暑さの真夏日、地面に蝉の屍骸。腐ったスイカの皮に黒い蝿。
死のにおい。どういうにおいか、言い表せない。
不謹慎ではあるが、どこか安らぎを感じさせるものだった。朝畳まなかった布団へ帰ってからもぐりこんだ時、足に妙に馴染むのに似ている。
そのときわたしは病院の廊下のベンチに腰をかけて真正面の壁をじつと見つめていた。見つめていたというには力を入れていない、目に入るから眺めていたというだけのことである。それを既に一日はしていた。
昨日の朝からわたしはここにいた。
朝方、いつまでたってもじいちゃんが起きてこないので起こしに部屋へ行った。ふすまを開けたとたん、ああこれはただ事じゃあないんだな、と気づく。
皮膚が張って引きつれて、鼻の奥にかいだ事の無い匂いをかいだ。じいちゃん、叫んだ。じいちゃんは動かない。
いつも通りに仰向けに、布団を跳ね散らかして寝ているだけなのに、ぜんぜん違う。
じいちゃん、二度目の叫びは出なかった。電話へと走る。じいちゃんの家の電話は黒電話だ。指がふるっけてしまって言うこと聞かない、1、1、9、早くつながればか、はやく、はやく、わたしはじいちゃんの部屋に背中を向けたまま祈りを重ねて電話を握り続ける。
はい119救急、と男の声が受話器からした時はもうたまらない気持ちになってしまって、ぐずぐず泣き出してしまいそうになる。
でも泣いてはいけないとじいちゃんがいつも教えてくれている。男が泣いていいのは便所の中だけ。わたしは女の子だったけれど、その前にじいちゃんの孫だ。
涙はいつも鼻の奥から来るので、鼻をぎゅっと摘んでじいちゃんが動かない、早くきてくださいと言った。自分の声で無いような声だったが、震えてはいなかった。
電話を切ると、わたしはじいちゃんの部屋の前に正座で座り込んだ。あの時手を握ってやればよかったのか今でも迷う、だがあの時わたしは確信とじいちゃんが恥ずかしがると決め付けていた。眼を閉じた。真っ暗になると、よけいに鼻がきく。またあの匂いだ。よくない、とわたしはやっぱり眼を開ける。庭を睨む。
暑い日だったのにわたしは汗をかくことも忘れて、じいちゃんの部屋の前を守った。誰かがじいちゃんを取りに来ても、決して絶対通しはしない。通すもんか。
じいちゃんのくれたドスはわたしの宝物である。いつも短パンの裾に突っ込んでいた。カンタンに抜くなよ、とじいちゃんはいつも言う。ドスを抜くって事は、命をやりあおうっちゅうことだ、釣り合わねぇことばっかりやってると俺みてぇになっちまうぞ。じいちゃんは笑った。苦笑だった。わたしはじいちゃんのようになりたかったので、あまり言うことを聞かなかった。手の平の硬いドス。刃はまあるくじいちゃんが引いてしまったけど、お守りよりも強くわたしを奮い立たせてくれた。
救急車がそんなに時間をかけるとは思えないので、ここからはわたしの夢なのかもしれない。
だけどわたしの初陣だった。
蝶々がひらりと目の前に舞い込んできた。真っ黒な蝶々だった。スミナガシでもなければクロアゲハでもない、みたこともない蝶々だ。ふさふさとした羽を震わせて飛んでいる。じいちゃんの部屋へと入ろうとしていたので追い払おうと手を振った。蝶々はあきらめない。怖くなった。あの羽でもってじいちゃんをどこかわたしの知らないところへもっていってしまうんじゃないかと心配になる。
わたしはドスをかざした。帰れ、睨む。蝶々はわたしを笑う。ひらひら笑うので、帰れよと怒鳴ってドスを振り回した。蝶々は笑いながら飛んで行った。
鬼が現れた。物語で見るような大きな鬼じゃなく、人形程度の鬼がキンキン声でわめいている。キケケケ!生まれたての赤ん坊をもっとくっしゃくしゃにしたような醜い顔で鬼がわめく。灰緑色の、ぶよぶよした身体。細長い爪でキイキイとガラスを引っかくような気持ちの悪い音を立てた。そうしてオマエノダイジナモノゼンブモッテイッテヤル!と鬼はわたしを挑発した。わたしの部屋から何もかも持っていってやると脅す。そしてわたしの部屋へと行きかけてはいいのかと振り向く。焦れたように私のふとももにその爪を立てて引っかいた。わたしはドスを握ったまま動かない。絶対に動かない。じいちゃんはここにいるのだから。鬼はそのうち舌打ちをして消えた。
母の声がした。待たせてごめんなさいね、帰りましょうとわたしを呼ぶ母の声がした。おかあさん、わたしは思わず立ち上がる。
おかあさん、おかあさん、わたしは心細さがとけていくのを感じて、何度もおかあさんと呼んだ。だというのに母は中々現れてくれない。おかあさん、と呼ぶと、入れないわ、ちょっと玄関を開けて頂戴という返事があった。即座にわたしはヘンだな、とドスを握りなおす。この家には申し訳にカギはあっても、かけたことなんかない。おかあさん開いてるよ、入れるよと言うと、駄目よ入れないちょっと来て頂戴と言われる。わたしは座りなおした。さみしくてさみしくて会いたくてちぎれてしまいそうだったけれど、今わたししかじいちゃんのタマを守れないのだからとドスにすがって声を殺した。母の声は次第に乱暴になる。母さんに会いたくないの?母さんの顔を見たくないならお前なんかいるもんか捨ててやる、ああ捨ててやるよこの親不孝者め。おまえなんぞ生むんじゃなかった。母の声が遠のく。わたしは姿を見ていなくとも、母がきっと青い炎を口から吐いているのを想像し、それでも涙をこらえて庭のあじさいの茶枯れた茎を睨んでいた。さようならおかあさん。
それからまもなくしてやってきた白い男たちは、わたしの肩を抱いてもう大丈夫もう大丈夫だからねと一番にわたしを慰めた。そんなのどうだっていい、はやくじいちゃんを助けて下さいと叫びそうになったが、ただ部屋の奥を指差した。白い男たちはさすがに迅速にじいちゃんをタンカに積み込むと、どやどやと廊下を渡って出て行く。板塀の外側に白い車を見て初めてああようやくわたしはじいちゃんを守りきったと安堵し、白い男にすがりつくようにしてわたしも病院へ連れて行ってくれと懇願しじいちゃんと共に車に乗り込む。白い男の一人が手を握ってやってくださいと言ってくれたがわたしは無視をして、ただドスを握って、じいちゃんの顔を睨み続ける。車に揺られながら、一度も眼を逸らさなかった。
病院に到着するなりじいちゃんはいかにも緊急事態だと言う格好の真っ白な部屋へと運び込まれていく。こちらでお待ちくださいと頬に黒子のある看護婦が冷たくいって、わたしはまた一人にされた。
壁に時計がなくてよかったと今でも思う。時計は時間の経過をあまりにも几帳面にしすぎる。
おさないわたしはドスを胸に抱いて、冷たくて硬いベンチに陣取った。通りすがる看護婦達にとってわたしは患者でないので声をかけられないのもありがたいことであった。今声をかけられたらそれこそわあわあ泣いてしまうかもしれないから。
十分二十分の話ではない時間が経ち、部屋から薄緑のマスク男が出てきた。それが手術の時に医者が着るものだというのはわかったけれど名前は知らない。
医者はご家族ですか、と聞いてきた。わたしははいそうですと答える。今更ながら、ご遺族ですかと聞かれなかったことにあの時はもっと安心するべきだったかもしれない。
今夜いっぱいの命です。
医者があんまり簡単に言うものだから、わたしはうん?と首を傾げて聞き返した。ノーソッチューですダイノーのケッカンにケッセンが見られてケツエキのキョーキュー云々。小学生に言ってもわからないのをわかっていう医者を、そのときわたしは嫌いになった。今でも医者は嫌いである。
ゼッタイアンセー、ゴカゾクイガイのメンカイシャゼツ。
それがわたしの第二陣開幕の言葉であった。
じいちゃんの病室の隣のベンチに陣取って、ドスを構えているうちに夜になった。あっというま。窓の見えない廊下だというのに何故わかったかと言うと、廊下の蛍光灯が一つおきに消えたからであった。看護婦がさすがにベッドを用意したと呼びにきてくれたけれど、わたしは首を横に振った。
「じいちゃんを守るの」
そう言ったわたしの顔を見る看護婦の顔。黒子のある、昼間にも見た顔だ。彼女はそう、とやさしく言って立ち去った。すぐに戻ってくる。はいこれ、とペットボトルのお茶をくれた。ありがとうございます、という声自体がすでにかれていて、そういえば飲み物を殆ど飲んではいなかったことをようやく気づく。
看護婦の背中が病院の廊下の奥に消えて、お茶を一口飲んだわたしは身体を震わせた。怖い。白い廊下に白い蛍光灯、だというのに光は緑色がかって、廊下が不気味に黒白緑に分けられた。誰もいない、だが、じじじじ、とどれか寿命の尽きかけた蛍光灯が鳴く。地面に落ちたセミのようで怖かった。もともとわたしは怖いものがだめである。手にしたドスだけが頼りだった。
じいちゃん、わたしは一度だけ呼んだ。あの、酒と喧嘩と馬鹿が好きな貧乏性のじいちゃん。思い出にするにはまだ早い。わたしは子供だが、その前にじいちゃんの孫だった。
そのうち、廊下の黒の部分からまたあの蝶々が現れた。
ふわふわ、ふわふわと廊下に飛ぶ。黒い蝶々は緑の光に目もくれずこちらへ飛んできた。わたしはドスを抜く。鞘はベンチに置いた。いいかチビ、ドスだろうがダンビラだろうが鞘は捨てるんじゃねぇと教えてくれたのはあの誰より白い頭の、じいちゃんの先輩だった。しろくまのおじさんとわたしは呼んでいたあの、ぶっきらぼうなおじさんはいつもむっつりとしていたが、怖い顔のわりに面倒見がよくってわたしは好きだった。あのでっかい刀に触らせてもらうのが好きだった。
蝶々に向かってまっすぐに、ドスを突き出す。悲しいことにわたしの身長では届かなかった。振り回す。当たらない。
あせりだす。あたらないあたらない、蝶々はじいちゃんの病室のドアに取り付きかけた。あ、わたしは青くなる。やめて、つれていかないで!ぎゅっと眼を一瞬瞑ってしまう。
瞬きを終えたその時には、蝶々は二匹になっていた。え、ともう一度瞬き、するとそれは増えたのでなく、真ん中から真っ二つに切り開かれたのだとわかる。
「そんなことでどうする、馬鹿モンが。しっかり前を見ろ」
そう優しく叱られ、頭をぽんと小突かれた。頭を反射的に押さえる。
あれ、あれ?とわたしがその人を確認する前に、その綺麗に真っ白な頭の、太い腕の眩しいその人は大股で廊下の白へ消えた。後姿だけだったけれど、いかつい肩当に礼を言う。真っ二つの蝶々はまだ未練がましく動いている。わたしは手にそうっと取り上げた。ふさふさとしていたが、もう不気味な気持ちは無かった。拾い集めた蝶々を暗闇に戻してやると、溶けてそのまま消えた。
そうだ、しっかりしなきゃ。
わたしはふたたびお茶を飲んだ。目がぱっちりとする。手持ちの武器はドス一本きりというのは心細いかもしれない、だがこれはじいちゃんのドス。じいちゃんはいつだって絶体絶命だったとじいちゃん本人だけでなく、出会った人全員がそう言った。そういう時じいちゃんはドス一本でなんとかしてきたんだとも聞いた。それならわたしもそうしなきゃ。
気合を入れたとき、こつんと何か足元に転がってきたものがある。ベンチの上から腰をかがめて拾ってみる。白っぽい石?わたしが蛍光灯にすかしてみると、またあの嫌な笑い声が聞こえてきた。キケケケ!わたしは黒を睨む。あの不細工な鬼が頭半分を黒から覗かせて笑っている。
「帰れ!」
私は怒鳴った。鬼はキケケケ!とまた笑う。そして、甲高い声でオメエノジイサンモアシタニハソウナッテルゼとはしゃいだ。手の中にあるそれは、骨だった。ぎゃっと悲鳴を上げて放り出す。また骨を投げつけられて、今度は肩のあたりに当たった。いや、わたしは飛び上がる。
キケケケ!と鬼は楽しそうにのけぞって笑い、黒から百はありそうな骨のかけらを取り出して浮かせて見せた。いや、わたしは真っ青になって首を振る。
体中に降ってくる骨、それを想像しただけで逃げ出したくなった。鬼は無情にも骨を投げつけてきた。ばらばらと降りかかってくる。手をばたつかせて骨を払う。骨まみれになりながら、わたしは顔を上げた。いけない、これじゃだめだ。じいちゃんを持っていかれる!思ってからはもうむちゃくちゃだった。ドスを持っている手も持っていないてもばたつかせ、骨を掴んで投げ返す。だけれどそんな反撃、なんでもないとばかりに鬼は再び黒から骨を山と取り出した。投げつけてくる。骨がわたしの顔にぶつかった。けど、今度こそ眼は閉じない。
と、わたしの目の前が翳った。長身の影、ゆっくりと拳を作ると、軽く振った。振った、としか見えなかった。ぱん、と乾いた音が一度したきりだったがしかし骨はことごとく打ち砕かれて廊下に落ちた。そうだよねチャンプ、わたしは顔を上げた。逃げないことこそが尊いのだと、じいちゃんよりよっぽどうまい日本語で言ったチャンプに微笑む。
「Go to the hell」
チャンプの一声に鬼はキャアと見た目よりかわいい声を上げて闇に引っ込む。チャンプも緑へと飛び込んで消えた。
それからも色々な、オバケというにはちょっと怖すぎるものたちがひっきりなしに現れてはわたしを襲った。けどわたしはもう逃げなかった。シロクマおじさんや、チャンプに次いで現れるじいちゃんの友達の力を借りて、切り倒していく。
朝が近い。
こつ、こつ、こつ、と廊下を歩いてくる音。二つ。鬼じゃない、とすぐに分かる。
待ちに待った朝が来てくれて、蛍光灯が点く。眩しい。眼を細めて光を絞った。眩しくって、二人の顔を良く見えなかった。
「富樫は?」
聞いてきたのは小さい影のほうだった。知っている声だった。じいちゃんが一番好きで、じいちゃんを一番好きな人の声だった。疲れているのか中々その人の顔がはっきりしない。その人は白い開襟シャツに、黒いズボン姿で杖もつかず背中も曲げず、黒髪だということもあってずいぶん若々しい。
「中です。ずうっと眠ってます」
そうか、とその人は答えると隣の人においと声をかけた。じいちゃんの昔の写真そのままの、そうだ桃さん、桃さんそっくりの人だった。学ラン姿に白いハチマキ、やさしい顔なのにきりっとしていて、隣のじいちゃんがかわいそうになるほど格好いい桃さんが写真から出てきているみたいだった。
「桃さん?」
私が聞くと、年をとった桃さんは少しほんの少しさみしそうに笑った。見栄を張りにきたのさ、という。
「ミエ?」
「そうだ。最後くらい、出会った時と同じ姿を見せたくてな」
桃さんの隣の人は苦笑した。親父、とその人が言うので親子なんだとわかる。桃さんはその息子さんの背中を押して、じいちゃんの部屋へと押し込んだ。
二人になる。廊下のベンチ、わたしのとなりに桃さんは座った。どっこいしょ、とは言わないあたりやっぱり桃さんはじいちゃんとちょっと違うんだなと思う。桃さんは部屋へと入らない気なんだろうか、と聞きたそうな顔をしていたらしい。桃さんは、
「こんな姿、あんまり見せたいモンじゃないからな」
と顔を伏せる。目尻に皺があった、若く見えてもやっぱりじいちゃんはじいちゃんなんだとわかる。桃さんは尋ねてきた。
「それ、富樫のだろう」
ドスのことである。わたしは頷いた。
「大事にしてやってくれ、富樫の魂みたいなモノだからな」
わたしは頷いた。ここにもじいちゃんはある、そうわかっていても、涙が出て止まらなかった。拭っても拭っても、止まらない。
桃さんは咎めはしないが、つられて泣き出すようなヘマはしなかった。
と、病室の中からガシャンガシャンととんでもない音がした。顔を上げる。まさか入り込まれたのか!わたしはすぐさま部屋へと飛び込んだ。桃さんも続く。
「俺をごまかそうなんざ、百億万年早いんじゃ!!」
耳にビリビリくる怒鳴り声。わたしは耳を押さえて飛び上がった。
「富樫、」
桃さんも驚いている。ゼッタイアンセーのメンカイシャゼツで、そのうえイシキフメーなんじゃなかったっけ?わたしはじいちゃんの顔を睨んだ。
真っ白だった。部屋全体が真っ白だけど、そこに溶けていきそうなほどじいちゃんの顔は真っ白だった。
「おう、せっかく人が気持ちよく極楽行こうってぇのによ。どっかの馬鹿がつまらん見栄張るもんだから」
「親父、ぜーんぶバレちまったよ」
火を、ただし真っ赤の火をふきそうなじいちゃんの横に控えていた息子さんは肩をすくめた。桃さんは言葉もないようである。
じいちゃんの横に駆け寄って、じいちゃんと叫んだ。じいちゃんは頭を乱暴に撫でてくれた。首がもげそうになる。
「泣いてんじゃねぇや、葬式分使い果たしちまうぞ」
「じ、いちゃ」
「よく頑張ったほうじゃねぇか、またな」
「やだ」
じいちゃあん、と泣くわたしをじいちゃんは息子さんへと押しやった。
「ちっとよ、このチビ連れて外出ててくれや。話がしてぇ」
じいちゃんに言われるがまま、わたしは息子さんに抱えられて病室を追い出された。
それから気を失ってしまったようで、次に会った時じいちゃんは既に旅立っていた。
次に葬式で出会った桃さんは左頬に大きなガーゼを貼っていてとても痛そうだが、顔は嬉しそうであった。
「馬鹿野郎って殴られちまった」
と、笑った。わたしも笑った。
「さようならを言えなかった」
「ああ、俺もだ。またな、とは言われたけど」
二人で笑った。
さようならを言いそびれてしまった。じいちゃんときたらいつだって自分だけが言いたいことを言ってそれきりなのだ。
桃さんは近々会いに行く予定だという。わたしに守をやってほしいと言うのでわたしはじいちゃんのドスにかけて請け負った。
そうして、意地っ張りは行き、見栄っ張りは見送った。
やっぱりお盆を越えたばっかりの暑い夏の日だった。
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