その後はおいしくいただきました。
隣の布団を覗き込んだ。
目に入ったのではなく、覗き込んでみた。
何が面白くて男の、しかも塾生のむさっくるしい寝床なぞ覗くものか。
隣の寝床に、そこに寝ている男に目的があって覗き込んだのだ。
朝よく遅刻をしていることから、きっと眠りは深いのだろうと予想はつく。
自分も隣の男と同じくらい、いやそれ以上に遅刻をするが、別に寝起きが悪いというわけではない。
隣の男が起こしてくれるものだから、それまで待っているにすぎない。
耳をぴんぴんに澄まして、自分のものでない呼吸の数すら数えられる朝の静けさが、桃は好きであった。
朝、きっかり目覚ましが鳴る十分前に俺は眼を覚ます。
それから、首をぐるり隣の富樫の布団を確認する。当然汚ねぇ布団はこんもり膨れて、内包する富樫の呼吸(と言うにはやかましい。イビキとも言う)に合わせて上下しているのがわかる。
大体寝相が悪くって半分は布団からはみ出て、『大胆』の『大』の字になってるもんだから、俺の布団にまで脚やら手やらが突っ込まれてることも多い。
なんてったって布団は隣だもの、仕方ねぇ、不可抗力だ。いつもはみ出しちまって悪ィと謝る富樫にそう言ってやったら少し恐縮したようだった。馬鹿だな本気にするなよ、すぐ本気にするのはいいところだけど。
しょぼくれた富樫に、俺は大歓迎だって笑って言ってやると、
「あー…、なんつーかその、やっぱいい…気をつけらぁ」
なんて、歯切れの悪い返事が返ってくるもんで驚いた。なんだ、照れなくったっていいのに。
ともかくボロ目覚ましがじゃんじゃんと鳴り出しても俺は動かない。じっとしている。
そのうちに「じゃかましい!」と寝言交じりに富樫の鉄拳が飛んで、健気な目覚ましは沈黙する。毎朝殴られたって不平も言わずに主人のためにただただ朝を主張するあたり、なんとも健気だ。
その一部始終を俺は見ている。
それからさすがに俺も少々ウトウトしかけているところに、富樫がようやく起き出した気配が隣から伝わってきた。既に先程の目覚ましからは四十分ほど経過していて、寮を出なけりゃいけない時間になっていた。
「あー…、ン?……ぉわあッ!!」
布団から腕を伸ばして時計を掴み見、恐ろしいその時刻にぺらぺらのかけ布団を足で蹴り浮かせるとわぁとかオウとやかましくわめきながら、
「桃!」
と、ドラ声で俺を呼ぶ。
この切羽詰った声が俺は好きだ。自分が置かれた状況を確認したらすぐ俺を起こす、というのが優先順位の高さを教えてくれているようでいい。
俺がなんの反応もしないでいると、またぐおお!と切羽詰った声で吼える。そして大股に俺の枕元へ立つと、
「桃、遅刻じゃ!!」
と、鼓膜を破るほどの大声で叫ぶ。それから俺の肩を蹴る。ちぇ、俺は少しだけ面白くない。最初、入塾したてのころは、
「桃、起きろィ!」
って、『優しく』、肩を手で揺り起こしてくれたっていうのに最近はこれだ。まあ、だがこれが世で言う倦怠期っていうんなら仕方ねぇか。
それでもって、俺が起きると今度は、
「おらよ、てめぇの学ラン!」
「サラシもちゃんと巻いたかよ」
「おい、ハチマキがおっ立て結びだ、やり直しとけ」
甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる。ありがてぇな、古女房っぷりが板についてきたぜ最近。
俺は富樫が投げてよこした学ランに腕を通し、サラシを巻いて、最後に富樫にハチマキを直してもらう。
二人仲良く足並み揃えて、同伴通学と洒落込むときた。
それが朝の、日課。
ところがだ。
冬の朝、どんな煎餅布団だって一番気持ちのいい季節に、隣の布団は空ときた。
俺は飛び起きると、手を隣の布団に突っ込んで体温を探る。室内だっていうのに白い息が出るほど男根寮は寒いからか、それとも随分前に抜け出したのかはわからなかったが富樫の体温ごと消えうせた布団はひんやりと冷たい。
便所か、とも思いなおしたが、寒い朝ならなおさら布団が冷える前に走って戻ってくるはず。それにそうこうしている間にも、富樫が戻ってくる気配はない。
「富樫」
呼んでも、返事は無かった。
その日は結局、目覚ましは桃によって止められることになった。
理由も無いので、遅刻せず登塾すれば級友は皆驚き喜んだが、桃の気分が一日晴れることはなかった。
富樫を見るたびに問いただそうとする桃だが、その度に級友から教官から塾長から呼び出しをくらい難題をふっかけられることとなってしまい、結局落ち着いて話すことができたのは、その日の夜、寝る前になってしまった。桃は富樫が布団に足を突っ込んだのを見るや、問うた。
「なぁ、今日の朝どこ行ってたんだ?」
「あ?」
「朝だよ。置いて行きやがって薄情な奴だ、おかげで起こしてもらえなかった」
拗ねてみせた。唇をちょっと尖らせたその表情に、富樫は困ったように眼をそらす。
「あー…でもよ、遅刻しなかったろ」
「まぁそうだ」
富樫にしては珍しく、舌をもつれさせずに強い口調で言い切った。
「なら、俺が起こさなくったってだろが」
今度は桃が困る番である。確かにそういわれてしまうと困る。思わず桃は目をそらした。
その隙をついて富樫は話は終わったとばかりに素早く布団の中に頭までもぐりこんでしまい、わざとらしい「ぐおーぐおー」というイビキまでも聞こえてくる。
おやすみ、すら言うことも叶わず、桃は冷たい布団へ足を突っ込んだ。
気持ちの高ぶりのせいか、眠りが訪れるのは、いつもより大分遅かった。
それから次の日も、目覚めると既に富樫はいない。
隣の布団は二月の寒気でひいやりとしていて、隣には脱ぎっちらかしたフンドシやら、踏み荒らした替えのサラシやらが散らばっている。
急いで出て行ったようであった。しかし桃が起きなかったところをみると、
そして、昨日と違った点、黄ばんだピンクの目覚まし時計が桃の枕元へと置かれていることである。
これには桃もショックを受けた。
(もう勝手に起きて勝手に学校へ行けってことかよ)
この日、目覚まし時計は鳴る前に八つ当たりのように乱暴に止められた。
山伏のようなおそろしい荒行を行う男塾の授業を受けながら、ちらちらと桃は富樫の席を伺った。富樫は桃から見て斜め左前、窓際の席である。
(眠そうだな)
と、桃は思った。富樫の横顔、その右目の傷の辺りに薄く緑がかった灰色が浮いている。クマだ。
眠りが深くて、いつも桃がなにがしかのちょっかいをかけたところでまばたきすらしないほど眠りの深い富樫のこと、一晩寝ずにいたのかもしれない。
起きられないくらいならと眠らず、桃を起こさないためと自分の目覚ましを渡し。
いっそすがすがしい富樫ぶりに、桃はため息をついた。
(隠し事ってのは、勘弁だ)
そうとも、富樫。桃は既に机へと伏して寝息を立て始めた級友の寝顔を睨んだ。
俺とお前は親友だろう。親友。
俺はお前がとても好きだし、お前は俺が好きだ。
本来ならお前が話し出すのを待つんだが今回は特別。
枕元の富樫がよこした時計の時刻は、午前四時四十分。
桃の隣の布団から、もぞもぞと富樫が這い出してきた。学ランを音を立てないように静かに身に着けながらも、眠くて頭が覚醒しないのか、左右に揺れている。
服を身に着け終わると、ちらっと確認するように桃の布団へ目をやり抜き足差し足、部屋から出ていった。
ぺた、ぺた、ぺた、ぺた。
足音をさせないように靴を手に持って出たのだろう、裸足の足音が廊下を遠ざかっていく。
足音が小さくなってから桃は身体を起こした。素早く学ランに腕を通す。二月、まだ太陽も昇っていない。
氷のような板張りの廊下を素足で歩くのは、さぞ寒かろう。桃はそれほどにまで隠したいのかと切れ上がった目を憂いに伏せた。
見つからないように富樫の背中を追いながら、寮を出る。尾行されると思ってもいない人間はたいてい無防備で、特に後ろを気にした様子もなく、靴を履いててくてく歩き出す。
瞼が凍りそうに寒い、街燈の明かりの中富樫は寒さに背中を丸めて歩く。バカ、だからいつも俺のマフラー貸してやるって言ってるのに。と、桃は笑った。
十五分ほど歩いたところに、一軒のパン屋が見えてきた。富樫は足を止めてシャッターをじゃんじゃんと控えめに叩き鳴らした。
「おう、来てやったぜ」
答えたのは老婆だった。富樫と並ぶと悲しいほどに品がいい、銀髪の、丸いフレームのメガネをかけた腰の曲がった小さな老婆である。
「おはよう、今日も来てくれたのね。助かるわ。さぁ、寒かったでしょう」
老婆は優しく笑い、富樫の手を引いて店の中へと引き入れた。
赤い屋根の、アンデルセンの童話に出てくるパン屋そのままな外観をした店へ、学ラン姿のいかついチョビ髭学帽男が吸い込まれていいく。
桃は店へと近づくと、窓からそっと覗き込んだ。夜明けも近い。
白い息で窓を曇らせながら、中をうかがう。
「だめよ、ちゃあんと手を洗って頂戴な」
「ちぇっ、面倒くせぇバァサンだな」
中は立派な厨房だった。銀色の調理器具、銀色の調理台、銀色のオーブン。全てが清潔そのもので、壁の棚には様様な調味料などの瓶が並んでいる。
先程は気づかなかったが、老婆は脚か腰が悪いらしく洒落たデザインの木の杖をついていた。その杖でもってこんと富樫の背中をつっついた。
(えッ!?)
その格好!富樫は学ランを脱ぐとフンドシ一丁になり、老婆が準備らしい白いシャツとズボンにその場で着替えている。
(慎みも恥じらいも、あったもんじゃねぇな)
はぁと桃は呆れた。富樫はぶつぶつ言いながらも白い帽子に髪の毛を詰め込んでいる。
「息子のだけれどよく似合うわ、さ、お願いね」
手を皮が剥けるほどに石鹸でよく洗い、アルコールで消毒した富樫に老婆は満足したように頷いた。調理台の横に丸イスを置き、腰をかがめながら腰掛けた。
「まずは小麦、そう、その袋。今日届いた分を倉庫へ一旦入れて欲しいの。重たいから気をつけてね」
老婆が示した調理場の隅に、小麦と書かれた一抱えほどの袋が置いてある。重さは何十キロにもなろうかというそれを、がに股になりながらそろりそろり少しずつ富樫は歯を食いしばって運ぶ。
「重たいでしょう、ごめんなさいね」
「大したこたぁねぇや、虎丸程じゃねぇが、こんなもん軽いもんだ」
「まぁ、すごいのねぇ」
皺の入った顔を少女のようにくしゃくしゃにしながら手を叩いて褒める老婆に、くすぐったそうに富樫は首をすくめてぎこちなく笑って見せた。褒められなれていなくて気恥ずかしいのだと桃は考える。
「ごめんなさいね、私がパン生地を作るから、天板に並べてオーブンへ運んで頂戴」
調理場の冷蔵庫から既に醗酵を済ませた生地が入ったボウルを富樫に取って貰うと、老婆は袖ををまくりあげた。小麦粉を運び終えた富樫がその隣にイスを持ってきてどすんと座る。
「おう、そんじゃあちょっと座ってらぁ」
老婆の手つきは熟練としかいいようがないものだった。特に計量器などを使っているわけではないのに、見たところ全て同じ大きさの塊に均等に手でちぎり分け、手早く丸めていく。富樫の目の前にはたちまち丸いパンの素が並んだ。それを富樫は形をくずさないように猫背になって一つ一つ天板へと並べていった。
「おいバァさん、こりゃ何パンになるんじゃ」
「これは一番基本の丸パンよ。これに餡子を入れたらアンパン、カスタードを入れたらクリームパン」
「へぇ、」
「クロワッサンやベーグルもとてもおいしいわ。でも私はアンパンが一番好きよ」
「俺ゃあ食えりゃあなんでもいいがよ、バァさんのパンは格別にうまいぜ」
「まぁ、ありがとう!」
孫を褒められたような嬉しげな顔で老婆は笑った。富樫も笑う。
朝が近い。街が起き始める。
新聞配達のバイクがすぐ側の道路を走り抜けていく音がした、すぐに遠ざかった。
朝日が空の端っこから顔を出し、明け始めた空がしらしらと紫を白金に変えていく。
桃は二人の作業を、口元へ笑みをのせて飽かず眺め続けた。
「富樫」
富樫は飛び上がった。まだ朝の6時を少し回った頃で、誰も起きてはいないと思っていたところへかかった声に驚きオウと声が出る。
今日はたまたま仕事が早く終わったため、一旦寮へと戻ることにしたのだった。抜き足差し足男根寮へと忍び入り、ゲタ箱で靴を脱ごうとかがんだ時である。
「も、」
桃だった。桃からしてみれば当然だが、富樫からしてみれば突然過ぎた。眼を白黒、何の解決にもならないのに逃げ出そうと後ずさる。
「待てよ」
桃の腕は真っ直ぐに伸びて富樫の腕を掴んだ。必死で振りぬこうとするも逃がさない、強い握力でもって締め付けた。
「ううう、…桃」
降参、と自由な腕でジェスチャーすると万力のような力は緩んだ。富樫は手首をさすりさすり睨む。桃は涼しい顔で受け流した。
「何しやがんだ、馬鹿力」
「馬鹿はないだろ、富樫」
「大体てめェいつもこんな早起きと違うじゃねぇか。どうしたってんだよ」
「お前を待ってたんだよ」
「俺?」
「最近お前がつれないからさ」
富樫は露骨に嫌な顔をした。桃のこういう言い回しは時々心臓に悪いし、虎丸やら伊達にからかわれる種でもあったからである。
「馬鹿」
「夜を越えてみれば隣が冷たい、こりゃ何かあったかと心配したんだ」
「…てめぇにゃ関係ねぇじゃろ」
逃げ腰の富樫。じりじり後退し、ついにゲタ箱へと追い詰められる。噛み付くように自分へと距離を詰めてくる桃へと立ち向かった。
「………関係ない?」
桃の声が二月の朝の空気よりもなお冷えた。富樫は自分の頬がぴりぴりするのを感じる。どうやら何か地雷を踏んづけたということはなんとなくわかったのだが、何が地雷だったのかはわからない。
「おう、てめぇにゃ関係ねぇ」
桃の拳は空を切ってうなりながら富樫の顔のすぐ側、靴入れへと打ち込まれた。ぐしゃりとひしゃげたネームプレートには達筆な筆遣いで『伊達』と書かれている。
「―――!!」
「パン屋手伝うってんなら、俺にも言ってくれりゃあいいのに」
「!!?」
「パン屋のバァさんがごろつきに絡まれたところを助けてやったんだろ?助けたはいいが腰悪くしちまって、パン屋を手伝ってると、こういうことだな」
だから、なんだってそんなに知ってるんだ桃。
富樫は展開の速さについていけない。自分を追い詰めた上靴入れを一つぶっ壊した桃は何故だか優しく優しく笑っていて、何故だか自分の頬を撫でている。そして何故だか自分がパン屋で働いていたことを知っている。何故だか全て知っていて、何故だか自分を追い詰めてくる。
いくつもの何故がきらきらと光りながら回っていく。
「お前は嫌かもしれねぇけど、俺はお前が起こしてくれんのが好きだったんだがな」
「だから…」
そういうの止めろ、と言いかけた富樫の唇へ、あたたかなひよこ色の紙袋が押し付けられた。
その紙袋の向こう側から桃が唇を触れさせてくる。睫のうるわしい目がひとつ瞬きをした。片目だったのでウインクである。
「あと、これにも釣られたってところだな」
紙袋からは小麦粉のいい匂いがフカフカと漂っている。富樫が隠し持っていた、老婆からの礼であるアンパンの袋は本当にいつの間にか桃の手にある。
「あ…」
「独り占めは良くないぜ?こんな旨い話」
力無く伸ばされた富樫のその手を、桃は優しく掴む。
そして、さもいいことを思いついたとばかりにニヤリと笑った。
「よし、これから毎朝俺も手伝おう。人手は多いほうがいいだろ、アンパンも好きだし」
「え…」
「だがなぁ、俺、寝起き悪いからなぁ、朝起きられるかどうか」
「お、おお、そうじゃ、てめぇにゃ毎朝の早起きは無理だ。俺は毎日寝ないからようやく出来てっけど」
得意げに鼻の下を擦った富樫に、桃はその肩を叩いて宣言した。
「お前に迷惑かけちゃあいけないよな」
「おう、てめぇ起こすの大変なんだよ」
「じゃあ、一緒に寝よう」
何が『じゃあ』なんだ。
富樫は当然の質問も出来ないほど不意を突かれた。
何が『じゃあ』なんだ。
富樫の内心の質問を桃は読み取った。洞察か心眼か、そのどちらであるかは不明である。
「お前が起きて、仕度をするだろ。その気配で起きるさ」
「そんなの無理に決まってんだろ!いつも俺がどんッだけ苦労しててめぇを起こしてるかわかってんのか!!!」
富樫が怒鳴る。桃は受け流す。
「それじゃあ接吻でもしてくれるのか」
だから、何が『それじゃあ』なんだッ!
富樫は完全に置いていかれている。当人な筈なのに置いていかれている。
「だ、」
「そしたら一発で目が覚める」
試すか、そう笑顔で尋ねられて富樫は勢い良く首を振った。
「そうか、残念だな。…それじゃあ一緒に寝よう」
「い、嫌だ。絶対起きやしねぇって」
「起きるさ」
試すか、そう笑顔で尋ねられて富樫は勢い良く首を振りかけた。今度は顎を桃に掴まれて、阻止される。
指が頬に食い込んで言葉を遮る。
はたから見れば完全にカツアゲだが、どこまでも清い気配を保ったままの一号生筆頭は富樫の肩を抱きこんだ。
そのまま塾へと歩き出す。富樫は最初暴れていたが、観念したように脱力してずるずると重たい足取りで並ぶ。
「お前は隠し事が多いな、」
「…その言葉、そっっくりてめぇに返すぜ」
それから、老婆の腰が治るまで毎日、富樫の手伝いは続いたのだった。
何故か昼間、授業中いつも以上に眠りこける桃の姿も合わせて目撃されている。
「お、おい!あんまりくっつくんじゃねぇ!」
「仕方ないさ、狭いんだもの」
「う、うおおおおお!!!」
尚、靴入れを破壊された伊達の靴は、虎丸の靴入れに間借りすることとなった。
「だから!俺の靴を放り出すんじゃねぇっての!」
「虎だろ?裸足で歩け」
「う、うおおおお!!!」
春は近い。
少なくとも、氷は薄くもろくなっている。
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